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見えないウイルスに不安 〜手洗いや消毒、外出を気にし過ぎてしまうのは強迫性障害?~

10/17/2020

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​www.soysource.net/2020/10/children-teen-kokoro-37/


コロナ禍で、私たちの生活スタイルは大きく変わりました。どの国でもマスクや消毒剤、体温計などの売り上げが爆発的に伸び、外出先ではマスク着用、家に帰ると手洗いや消毒をする習慣がアメリカでも定着しました。特に気にする人は、外出するたびにガレージで服を着替えて即シャワー、荷物も全て消毒するほどの徹底ぶりです。けれど、感染予防として政府や保健機関で奨励している予防対策と比べて、度を越して過剰な対応をしているようなら、強迫性障害(OCD:Obsessive–compulsive disorder)の疑いがあるかもしれません。


OCDとは、考えたくないのにある特定の考えが何度も頭に浮かんで来て、それを消し去ろうと何度も同じことを繰り返してしまう病気です。同じ考えを繰り返す「強迫観念」と、同じ行為を繰り返す「強迫行為」があり、自分でもおかしいと思いながらも、特定の考えや行為から抜け出せずに苦しみ、日常生活にも支障を来します。典型的なものでは、汚れが気になり何度洗ってもまだ汚れている気がする「不潔恐怖」、重い病気にかかってしまうかもしれないと異常に恐れる「疾病恐怖」、家のカギをかけたかコンロの火を消したか何度も確認してしまう「確認行為」、他人にケガをさせてしまうかもしれないと不安になる「加害恐怖」、順序通りにものを並べて片付けておかないと強い不安に襲われる「不完全恐怖」、不要なものを捨てられない「保存強迫」などです。また、家族に対しても過剰な手洗いや掃除を強制したり、外出を制限したりする場合も多く、これらは「巻き込み型」と呼ばれています。家族が協力すればするほど、本人の症状は逆に悪化していき、要求もエスカレートしていきます。

OCDは、人種や性別に関わりなく人口の約2〜3%が発症すると言われており、珍しい病気ではありません。多くは10代〜20代前半に発症します。小さな子どもの中にも、ミニカーを正確に並べたり、道路のタイルで特定の色を避けたりする子がいますが、次第になくなる場合がほとんどなので、あまり心配する必要はないでしょう。ちなみに、犬や猫などの動物にも、ストレスなどから強迫的に毛づくろいをしたり、繰り返し鳴いたり唸ったりするOCD的な行動が見られます。

本人も異常だとわかっていて止められないのが特徴で、コロナ禍になってからは、1日50回以上手洗いをする、車の窓を開けられない、感染が怖くて外出できないといった人もいます。また、新型コロナに関する悲観的なニュースばかりを追いかけて不安を募らせる人も。こうした行為は、「絶望(Doom)」と「画面のスクロール(Scrolling)」を組み合わせて「ドゥームスクローリング(Doomscrolling)」とも呼ばれています。米疫病対策センター(CDC)の調査によると、コロナ禍でうつや不安、薬物に苦しむアメリカ人が急増し、6月末には全体の40%に上るという結果も出ています。特に18〜24歳の若年層が影響を受けており、ドゥームスクローリングによってさらに不安やうつ傾向が増加していると考えられています。

​OCDを発症しているのではないかと不安に感じる方、また、どこまでが適切な感染予防の行為かわからないという方もいるでしょう。対策としては、自治体や保健機関など信頼できる情報源のガイダンスに従い、過剰な手洗いや消毒を行わないようにすること。米疫病対策センターでは、外出後、咳やくしゃみ、鼻をかんだ後、調理前、食事前、顔を触る前などに、石けんで手を20秒洗うことを推奨しています。それ以上は過剰に手洗いをしないこと。また、不安をあおるニュース記事もできるだけ見ないようにして、1日10分程度に抑えるといいでしょう。基本は、強迫観念は避けようとせずに受け入れること、強迫行為は抵抗してその行為を減らしていくことです。自分で過剰だとわかっていても、繰り返し手を洗うのが止められないといった状態が続いているようなら、かかりつけ医や専門機関へ相談することをおすすめします。

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安楽死について子どもと一緒に考える

9/17/2020

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www.soysource.net/2020/09/children-teen-kokoro-36/



筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者女性の依頼を受け、薬物を投与して安楽死させたとして2人の医師が逮捕された事件が、日本社会に大きな衝撃を与えています。生きる権利だけではなく、尊厳を持って死ぬ権利も認めるべきだという安楽死や死の自己決定権について、この機会に子どもと一緒に考えてみましょう。

安楽死には、大きく分けて2通りあります。ひとつは、治る見込みのない終末期の患者に対して薬などを与えて死に至らしめる積極的安楽死(医療援助死)、もうひとつは胃ろうなどの延命治療をしない消極的安楽死(尊厳死)です。


日本でも消極的安楽死は認められており、患者本人または家族が明らかな意思表示をすれば、医師は延命治療をしないか中止しても殺人罪には問われません。しかし、積極的安楽死はいまだ法的に整備されておらず、1995年の横浜地裁判決で出された4つの条件を満たす場合のみ例外的に認められています。それらは、死期が迫っている、耐えがたい肉体的苦痛がある、ほかに苦痛を緩和する方法がない、患者の明らかな意思表示があるというものです。


今回の事件は主治医でもない医師ですから、病状や治療の経過、死期や苦痛の度合いなどを正しく判断することはできず、これらの要件を満たすのは到底難しいと言えます。ちなみに逮捕された医師のひとり、大久保愉一容疑者は自身のツイッターで、漫画『ブラック・ジャック』に登場する安楽死を請け負う医師、ドクター・キリコに何度も言及し、「俺がもしも開業するなら、ドクターキリコしかないな」などとつぶやいていたそうです。漫画に出てくるキリコの安楽死の3条件は、回復の見込みがない、生きているのが苦痛、本人が死を望んでいるというもので、くしくも横浜地裁の4条件のうちの3つに当てはまります。


アメリカでは、ここワシントン州を始め、オレゴン、コロラド、バーモント、カリフォルニア、ハワイ、モンタナ、メイン、ニュージャージー、そしてコロンビア特別区で安楽死が認められています。州によって多少の違いはありますが、安楽死が認められるには、治療は不可能、耐えがたい苦痛に苛まれ余命半年以下であると2人の医師に診断される必要があります。医師の立ち合いは必要なく、処方された致死薬を自ら飲みます。1998年から2017年までの間に、アメリカでは4,249名が安楽死の薬を処方されました。世界では、スイス、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、カナダ、オーストラリアなどが安楽死を認めており、国によって医師が致死薬を注射する、薬を処方するなどの違いがあります。スイスでは民間の安楽死団体があり、日本を含めて安楽死が認められていない海外からの会員も多数います。


安楽死は、個人の意思をどこまでも尊重する個人主義、合理主義的な欧米人の価値観から導き出された究極の自己決定権とも言えます。ただ、どの範囲まで安楽死を認めるのかという基準は、文化や宗教、社会的な価値観によっても大きく異なります。たとえば、スイス、オランダ、ベルギーでは安楽死の対象者に心の病気も含めており、オランダでは2017年に自閉症を含む83人の精神疾患を持つ患者が安楽死しています。さらに、ベルギーでは2014年に安楽死が全ての年齢で合法となり、これまでに9歳、11歳、17歳の子どもの安楽死が実行されました。しかし、本当は生きていたいのに、経済的な理由や周囲へ迷惑をかけたくない気持ちから死を選んだ患者もいるかもしれません。また、耐えがたい苦痛に苛まれている終末期の患者と、自身を認識できなくなる前に安楽死を選ぶ認知症患者、PTSDや自閉症などの精神疾患者を同じ基準で判定してもいいのかどうか、という疑問も残ります。今回の事件も、難病に苦しむ患者の救いが安楽死だけだったという点が問題であり、命を延ばす治療だけではなく、縮める治療に関しても社会全体で考える時期に来ているとも言えるでしょう。


​死を考えることは、生を考えること。コロナ禍の今、死について話す機会を設けて、生きるとは何か、命の尊厳とは何かを子どもと話し合ってみてはいかがでしょうか。



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子どもの思春期とどう向き合うか ~脳とホルモンの激変期~

8/23/2020

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www.soysource.net/2020/08/children-teen-kokoro-35/



あんなに甘えん坊だったわが子が、思春期に入ると暴言を吐き、生活も昼夜逆転してゲーム三昧……。ちょっと注意したら「ウザい」とブチ切れるなど、あまりの豹変ぶりに戸惑うばかり。「私の子育てが間違っていたのかしら」と自分を責めたり、毎日のようにけんかになって将来を不安に思ったりという方は大勢いることでしょう。でも、反抗期は子どもが成長するために通らなければならない道。反抗期に冷静に向き合い、わが子を自立した大人へと導くにはどうすればいいのでしょうか。


思春期は、成長ホルモンと共に性ホルモンが大量に分泌され、子どもから大人の体へと急激に変わっていく時期。思春期の始まりは男女共に早くなりつつあり、平均で女の子は9歳9カ月、男の子は11歳6カ月から始まります。身長は、女の子は3、4年かけて15〜35センチ伸び、男の子は4、5年かけて20〜40センチ伸びます。健やかな成長のために欠かせないのが睡眠ですが、思春期の子どもは睡眠ホルモンのメラトニンが出るのが大人より2時間ほど遅いため、夜更かししがちで生活のリズムも狂いやすくなります。


私たちの脳の働きは大きく「興奮」と「抑制」に分けられますが、思春期の脳は主に興奮状態。この「興奮」の働きは生まれた時から発達して子ども時代に完成するのに対して、「抑制」は少しずつしか発達せず、完成するのは何と20代後半。ティーンになると常にイライラして危なっかしい行動に走るのは、アクセル全開でブレーキの効かない車のようなものと考えると納得がいきますね。


また、親から作られた自己像から脱皮して、自分の力で少しずつ自我同一性(アイデンティティー)を確立していくのもこの時期。「自分とは何者なのか」、「何のために生きるのか」などを自分に問いかけ、他人から認められたいという承認欲求も強くなります。人間関係や習い事などで挫折や失敗を繰り返して傷付きながらも自我の危機を乗り越え、これが自分なんだという確固とした価値観や生き方を身に付けていきます。


この時、親の役割としては、口を挟む回数をなるべく少なくして見守ることです。親の価値観を押し付けたり、正そうとしたりすればするほど子どもは反発します。また先回りして手助けし過ぎると、自主性や規律性を身に付ける機会が奪われてしまいます。盗みや自他を傷付ける行為、ドラッグ依存など、これだけは絶対にダメというリミットを設定し、それ以外は子どものやりたいことを尊重しましょう。反抗期のない子どもの中には、親の価値観とほとんど同じで反抗の理由がない、または性格が穏やかな子もいますが、支配的な親や過保護で操作的な親の元で反抗できなかった子どももいます。こうした子どもは大人になってから反抗期がやってくる可能性があります。衝動的に仕事を辞め転職を繰り返したり、無気力で引きこもり状態になったりと、体は大人でも中身は興奮と抑制の均衡が保てない10代の脳のままで自我が確立していない苦しい状態です。


まずは、自分の子育てを振り返ってみて、子ども扱いしていないか、頭ごなしに「ダメ」と言っていないか、イライラして子どもに当たっていないか考えてみてください。困ったことに、子どもの思春期と母親の更年期は重なる場合が多く、更年期症状がひどければひどいほど子どもの自我の確立が妨げられるという調査もあります。意識的に自分の時間を作り、好きなことをして子どもとちょっと距離を置くだけで、ストレスが減って楽になります。


昔の日本では男子が成人になる「元服」は12〜16歳で行われており、髪を結い服も改め、周囲から公人として認められることで、大人としての自覚が芽生え自然と立ち居振る舞いも変わったそうです。周囲から大人扱いをされ、話を聞いて丸ごと受け入れられると、子どもは自分でやりたいことを見つけて夢に向かって自発的に動き出していくものです。あと数年で子どもは巣立ちます。細かいことにはグッと目をつむり「頼りにしてるよ」、「いつも頑張ってるね」など心の栄養になる言葉をたくさんかけてあげてください。子育ての集大成とも言えるこの時期、子どもと一緒に親もまた人間的に大きく成長できるといいですね。

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性教育は心を生かす命の教育 ~親は子どもにどう伝えるか~

7/26/2020

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www.soysource.net/2020/07/children-teen-kokoro-34/



新型コロナウイルスの感染拡大がもたらした二次的な影響はさまざまな分野に広がっていますが、そのうちのひとつが性をめぐる問題です。日本では、休校や自粛要請などで居場所や収入を失う若者が増え、望まない妊娠をするティーンが急増しています。途上国ではより深刻で、国連人口基金(UNFPA)の調査によると、新型コロナによる経済的な困窮から18歳未満で結婚をする「児童婚」が今後10年で1,300万件も増加し、ロックダウンが6カ月におよぶ場合は4,700万人もの女性が避妊具や薬を入手できず、望まない妊娠は700万件増、女性への暴力が3,100万件増という衝撃的な予測もなされています。


子どもの性を狙う犯罪に巻き込まれないようにするには、親はどのように子どもと向き合えばいいのでしょうか。性教育とは、単に性行為や性感染症、避妊の方法を教えるだけではありません。家庭や社会での男女平等、性の多様性、商品化された性についてもオープンに話し合い、命の大切さや人間としての尊厳を子どもが培っていくための命の教育とも言えます。実際に各国の研究で、性教育により相手を思いやる慎重な態度が育まれ、性交年齢も遅くなるという結果が出ています。

ネットやメディアで性情報が氾濫する現在、性教育は思春期になって始めるのでは遅過ぎます。国連による「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」では性教育は5歳から推奨され、フランスやスイスなどでは何と3歳からスタート。年齢に合わせた内容で、まずは自分の体を大切にすることから教えます。たとえば、男女の体の作りは違っていること、違っていても平等であること、ほかの人が見たり触ったりするのを拒んでいいこと、触られて嫌なときは大きな声で「ノー」と言うこと、大事な部分を触られた場合は信頼できる大人に言うことなどを教えます。また、トイレに行く際には「プライベートタイムは邪魔しないでね」と伝え、自分の体だけではなく、ほかの人の体も大切にすることを伝えましょう。


5歳頃には「わたし/ぼくはどこから来たの?」と疑問を持つ子どももいます。植物は種から芽が出て、動物はお母さんのおなかの中で赤ちゃんが育ち、全ての命は生まれてくるものだと教えましょう。国連のガイダンスによると、5〜8歳で赤ちゃんが生まれる過程と、こうした行為は自然で健康的なものであることを教えます。また、オンラインで裸の写真を見たときなどには「これは大人向けで、子どものためではないんだよ」と教えましょう。異性を好きになる人もいれば同性を好きになる人もいて、いろんな形の家族があっていいなどと寛容性について話し合うことも大切です。


ガイダンスでは9〜12歳に、性行動、妊娠や出産の知識、性感染症、避妊器具の使用法などを教えます。思春期に入るこの時期に日米の学校で性教育の授業をしますが、家庭でも「相手を思いやる心がいちばん大事」、「性的な行為にはお互いの同意が必要」と繰り返し話すことが重要です。裸や下着姿の写真を送るように迫られたり(セクスティング)、同意のないまま体を触られたり、デートレイプの被害者になるのもこの頃から急増します。


アメリカでは12歳以上で毎年45万人近くが強姦や性的暴行の被害に遭っており、その9割近くが女性です。ミソジニー(女性蔑視)を助長しかねない暴力的なポルノや商品化された性が社会にあふれ、被害者の多くはこうした価値観を無意識に心の中に取り込み、自分を責め、誰にも言えずに苦しみます。ハリウッドの元大物プロデューサーであるハーヴェイ・ワインスタイン被告による性的暴行から#MeToo運動が沸き起こったのはほんの2年半前。日本でも性被害者が警察に通報するのはわずか4%と言われており、表面に現れる事件はまだまだ氷山の一角だと思っていいでしょう。


​男女問わず「あなたは大切な存在だよ」と繰り返し子どもに伝え、自己肯定感が高まれば、「自分の体もほかの人の体も大事」と自然に思えるものです。性という漢字は「心が生きる」と書きます。自分が次の世代に命をつないでいくためのかけがえのない存在だと、子ども自身が感じられるようにしっかりと伝えていきましょう。


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ストレスのない親子関係作りに笑いのパワーを活用

6/12/2020

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www.soysource.net/2020/06/children-teen-kokoro-33/



新型コロナ禍により「ニューノーマル」と言われる新しい生活様式への適応が迫られる中、多くの家庭から悩みが聞こえてきます。長引く休園・休校で家にいる小さな子どもへの対応に困っていたり、学校からのメールが多過ぎて全部を細かく読んで子どもの課題をサポートするのが困難だったり。そして、虐待やドメスティック・バイオレンス(DV)の恐怖におびえながら、行き場がなく困っている人も少なくありません。今回は、ストレスを減らして、毎日を少しでも楽しく平和に過ごすための子育てのコツをご紹介します。

最近、心の底から思いっきり笑ったのはいつですか? 笑いには、ストレスを解消して免疫機能を高める絶大な効果があることがわかっています。笑いにより、通常の呼吸の3倍量の酸素が体内に取り込まれ、ガン細胞やウイルスを退治する50億個のナチュラルキラー(NK)細胞が活性化。脳の働きが活発になり、記憶力もアップします。血行を促進し、自律神経のバランスを整えるほか、モルヒネの6倍以上の強力な鎮痛作用を持つ脳内の神経伝達物質、エンドルフィン分泌を促します。


笑いを表現する言葉には、大笑い、高笑い、爆笑、愛想笑い、薄笑い、作り笑い、冷笑、嘲笑、苦笑、微笑、照れ笑いなど30語ほどあり、笑いの役割も楽しさ、面白さ、社交、緊張緩和、攻撃など多岐にわたります。ユーモアのセンスのある人は知能指数が高いとの調査結果も。医療の現場では、小児病棟を訪れて子どもたちを笑わせ、元気付けるクリニクラウン(臨床道化師)という職種があります。これはアメリカ人のパッチ・アダムス医師が始めたもので、ロビン・ウィリアムス主演で映画化もされています。大声で笑いながらヨガを行うインド発祥の「笑いヨガ」も世界中に広がっており、私自身、以前体験した際には心身共にスッキリ軽くなり、笑いのパワーを実感しました。


お金もかからなくて効果絶大な笑いのパワーを子育てにもぜひ活用しましょう。たとえば、人差し指を横にして口に挟むジェスチャーをしながら、「こうすると嫌な気持ちが消えて楽しくなるよ」と言うと、大抵の子どもはまねをして笑い出します。表情筋から脳に笑顔のシグナルが送られることで、脳が楽しいという感情を感知する「顔面フィードバック仮説」に基づくもので、顔だけではなく体の動きも感情に影響を与えることがわかっています。


実際、両腕を高く上げたり腰に手を当てたりといった強そうな「パワーポーズ」を2分間キープするだけで、男性ホルモンのテストステロンが20%増加し、ストレスホルモンのコルチゾールが25%減少するため、前向きな気持ちになります。その逆に、体を縮めて弱々しいポーズを取るとテストステロンは10%減少し、コルチゾールは15%増加するそうです。親子でパワーポーズを取るのを習慣にするのもいいでしょう。また、子どもと一緒にため息を数回大きく「はぁ〜」とついてみてください。不思議と元気がなくなってきます。次に、「はっはっは〜」と大声で笑うフリをしてみてください。実際に笑ったのと同様の効果が現れ、元気が戻ってきます。気難しいティーンに対しても、「最近見た面白いミーム(インターネットで流行中のネタ)を教えて」と聞くだけで、返事が返ってこなくても頭の中で楽しいことを考え始めているはずです。


​人間の脳には、相手の気持ちや行動を、自分自身の反応であるかのように感じるミラーニューロンという細胞があります。この脳細胞により、親が楽しい気持ちでいると子どもも楽しくなり、その逆にイライラしていると子どももイライラしてきます。子どもやパートナーがムスッとして不機嫌な様子でも、自分は笑おうと決めて楽しいことにフォーカスすると気持ちが軽くなります。気分が落ち込んで笑う余裕なんてないと思っている人もいることでしょう。暗闇の中にいるように不安を感じる時もあると思います。しかし、闇にほんの少しでも光が差し込めば、そこはパッと明るくなります。誰かに頼るのでなく、自分が光になると決めて、フリでもいいので大きな声で笑ってみましょう。笑うと表情筋が鍛えられて美容効果にもつながります。笑顔の人は好感度が高いという調査結果も。まずは率先して、笑いのパワーを活用してみてはいかがでしょうか。


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    Author

    長野弘子
    ​MA, MHP, LMHC


    NYと東京で出版事業に携わった後、東北大震災をきっかけにシアトルに移住。ノースウェスト大学院カウンセリング心理学卒業後、米大手メンタルヘルス機関で心理カウンセラー(LMHCA)として勤務。うつ病や不安障害、ADHD、自閉症等を抱える多くの子供やティーンエイジャーに対してセラピーを行っている。

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