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効果てきめん!運動が子どもの脳を変えていく

1/12/2019

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www.soysource.net/2019/01/physical-exercise-for-brain-health/​


新たな年の始まり、新年の抱負は決まりましたか? 長年の運動不足を解消すべく、スポーツを始める人も多いことでしょう。最近の研究では、運動の驚くべき脳への影響が数多く報告されています。肉体的に強くなるだけではなく、脳を活性化させ、うつ病や認知症を予防し、集中力を高めて勉強や仕事の効率もアップさせるというものです。

長い間走ると気分が高揚することを「ランナーズハイ」と言いますが、これはモルヒネの6倍以上の鎮痛効果のある脳内伝達物質のエンドルフィン、また、マリファナ類似物質である内因性カンナビノイドの分泌が増えて起こるとされています。これらの脳内麻薬が脳内に増えることで不安感が和らぎ、リラックス効果をもたらします。また、運動により、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの量も増えることがわかっています。セロトニンは心を安定させて前向きな気分にする脳内伝達物質で、実際に抗うつ薬のほとんどが脳内のセロトニン量を増やすよう作用します。

約11年にわたるヨーロッパでの大規模調査「HUNT」によると、全く運動をしない人は、週に1、2時間の運動をする人に比べて、うつ病を発症するリスクが44%も高まるという結果が出ました。1週間に1時間程度の運動でも効果があるのなら、ぜひ生活に取り入れたいですね。ほかにも、たった1度のワークアウトで、セロトニンやノルアドレナリン、ドーパミンの量が増え、その効果は2時間以上続くという調査結果も。うつ病の患者は一般的にこの3つの脳内物質レベルが低いと言われています。さまざまな研究で、運動は抗うつ薬と同程度の効果があるとされていますが、運動がこれらの脳内伝達物質の分泌を促すからでしょう。

また、セロトニンのもうひとつの重要な役割は、脳の神経細胞(ニューロン)を増やすことです。以前は、成人ではニューロンは増えないと言われていましたが、最近の研究でセロトニンが海馬のニューロンを新生させることが判明しました。大脳辺縁系の一部である海馬は、タツノオトシゴのような形をしており、五感を通して入ってくる刺激を全て処理して情報を振り分け、長期記憶として保存します。正常に動いていれば大事な情報だけ記憶しますが、海馬はストレスに弱く、ダメージを受けると嫌な記憶を処理できずに不安感が強まります。アルツハイマーや認知症、うつ病の患者の多くは海馬が萎縮し、その機能が阻害されています。運動によりセロトニン量を増やして海馬のニューロンを増やすことで、こうした病気にかかりにくくする脳を作ることができます。


子どもに関しても同様の調査結果が出ており、運動をよくする子どもは、ストレスに強く、自尊心も高く、不安やうつの予防にも効果的とされています。日本のスポーツ庁によると、6歳までに大人の8割の神経機能が発達するので、幼児期には1日1時間以上の運動遊びが必要だそうです。冬場は外遊びが少なくなりますが、ダンスや体操、トランポリンなど体を動かす遊びを積極的に取り入れたいですね。また、ハーバード大学医学部のジョン・レイティ博士の調査によると、かけっこやダンスなどをして心拍数を上げた状態で勉強をすると、集中力、思考力、記憶力が急激に高まるとのこと。昔から言われている文武両道の人とは、頭が良くて運動もできるのではなく、運動ができるから頭が良いのかもしれませんね。勉強の合間に運動を取り入れ、親子でボール遊びや体操をするのも良いでしょう。


最後に、大人の脳を活性化させるために必要な運動量はどのくらいなのでしょうか。ニューヨーク大学神経科学部のウェンディ・スズキ博士によると、激しい運動を毎日する必要はなく、週に3回ほど、30分の有酸素運動で効果があるとのこと。たとえば、掃除機を隅々までかけたり床拭きをしたりするほか、なるべく階段を使うようにする、子どものお迎えを早歩きでする、駐車場では車を遠くに停めるなどでもいいそうです。親子共に、日常生活に運動を取り入れて、脳を活性化させたいものですね。

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    Author

    長野弘子
    ​MA, MHP, LMHC


    NYと東京で出版事業に携わった後、東北大震災をきっかけにシアトルに移住。ノースウェスト大学院カウンセリング心理学卒業後、米大手メンタルヘルス機関で心理カウンセラー(LMHCA)として勤務。うつ病や不安障害、ADHD、自閉症等を抱える多くの子供やティーンエイジャーに対してセラピーを行っている。

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