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​healing within self

スポーツ・チームに学ぶ、子どもにやる気を出させる声がけの仕方

9/15/2021

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https://soysource.net/lifestyle/children_teen_kokoro/motivations/

東京五輪・パラ選手たちの熱き戦いは、私たちに多くの感動と勇気を与えてくれました。数々の困難を陰で支えるコーチの存在は絶大で、特に試合前に語りかけるコーチの言葉が選手を奮い立たせ、勝敗を大きく左右することも。こうした短い激励のスピーチは「ペップトーク(Pep Talk)」と呼ばれており、現在ではビジネスや学業、メンタルヘルスの分野にも幅広く取り入れられています。このペップトークを子育てにも取り入れ、子どものやる気を最大限に引き出してみませんか。
ペップトークの「pep」とは「元気付ける」という意味。一見簡単そうですが、「頑張って!」といった単純な励ましでは、子どもはなかなかやる気にならないもの。テキサスA&M国際大学のジャクリーン・メイフィールド教授とミルトン・メイフィールド教授の研究によると、効果的なペップトークには、「方向性」、「共感」、そして「使命感」という3つの要素が含まれているそうです。
「方向性」では、目標や目的は何で具体的にはどうすればいいのかという明確な情報を伝えます。方向性や目標がはっきりしないと、目的地のないまま車を運転しているようなもので、どこにも行き着くことができません。「あなたの目標は、〜だね」、「そのためには〜をする必要があるよ」など、具体的にやることを示します。
「共感」では、本人の努力を認め、直面している困難や辛い気持ちを一緒に感じて寄り添ってあげることです。「誰よりも頑張ってきたよね」、「よく耐えたね」という風に、寄り添ってあげると気持ちが落ち着きます。その逆に、「そんな風にネガティブに考えちゃダメだよ」などと否定すると、やる気を失うことに。
最後の「使命感」は、「何のためにそれをやるのか」という動機付けを明確にしてあげること。自分のやっていることは意味があると思えば、人は指示されなくても自分の意志で自発的に動きます。やる気は、行動する理由があれば自然に出てくるもの。「あなたにしかできないことだと思う」、「あなたの頑張りが私の励みになっているよ」、「楽しんできてね」など、本人の個性や気持ちを大事にするような言葉をかけてあげてください。
その逆に、子どものやる気や自信を奪ってしまう言葉もあります。スタンフォード大学の心理学教授であるキャロル・ドゥエック博士の研究によると、子どもを2つのグループに分けて問題を与え、一方には「君は賢いね」と「才能」を褒め、もう一方には「よく頑張ったね」と「努力」を褒めました。その後、次の問題を子どもに選ばせた際に、「才能」を褒められたグループの多くは簡単な問題を、「努力」を褒められたグループの多くは難しい問題を選んだとのこと。
また、両グループの子どもに難しい問題を解かせたところ、「努力」を褒められたグループのほうが成績は良く、「才能」を褒められたグループの子どもたちは、自分の点数を実際よりも高めに報告した子が3倍多かったそうです。このように、才能を褒めると「自分は賢いので問題が解けないのは恥ずかしい」と思い、挑戦を避けて問題が解けなかった際にはうそをついて自分を良く見せようとします。親が良かれと思って「賢いね」などと褒めていると、「自分は人よりも優れているはず」という考えが強化され、失敗を恐れて挑戦を避ける完璧主義的な性格に陥りやすくなります。
やる気や自信を付けさせるには、「努力」にフォーカスすることが大事。言葉の力は、本当に絶大です。実は、ペップトークの3要素がふんだんに使われている格好の教材が、日本にはたくさんあります。それは、ズバリ漫画です。特に、夢に向かって果敢に立ち向かう主人公を描いた「努力・友情・勝利」の少年漫画は、まさにペップトークの塊。親子で漫画やアニメを一緒に観ながら、主人公の言動について語るだけでも大きな効果があるでしょう。ペップトークの3要素を意識しながら、「自分の能力や人格は生まれつきのものではなく、いくらでも成長できる」という信念を子どもに伝え、子どものやる気と自信を伸ばしていきたいものですね。
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    Author

    長野弘子
    ​MA, MHP, LMHC


    NYと東京で出版事業に携わった後、東北大震災をきっかけにシアトルに移住。ノースウェスト大学院カウンセリング心理学卒業後、米大手メンタルヘルス機関で心理カウンセラー(LMHCA)として勤務。うつ病や不安障害、ADHD、自閉症等を抱える多くの子供やティーンエイジャーに対してセラピーを行っている。

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