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エスカレートするネットいじめ、親にできることは?

9/14/2018

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www.soysource.net/2018/09/cyberbullying/

子どもが学校から帰って、機嫌が悪かったり口数が少なかったりすると、「いじめに遭っているのでは?」と、親も心配ですよね。特に夏休み明けは、いじめに悩む子どもが追い詰められやすい時期。米教育省の2015年の調査によると、学校で起こる従来型のいじめは減少しており、被害者数は2007 年の31.7%から2015 年には20.8% に減少していますが、それとは逆に、インターネット上でのいじめが急増しています。このネットいじめ(Cyberbullying)は、匿名性の高いサイバー空間で顔も見えないため、どんどんエスカレートしていきます。カリフォルニア大学ロサンゼルス校が2008年に発表した調査によると、12〜 17歳の4人に3人が過去1年にネットいじめ被害を経験。そのうち親や先生に相談したのは10人中たったの1人とのことです。


蔓延するネットいじめの手口ですが、具体的には、グループ・チャットから除外して遊びの約束などを知らせない仲間外れ型、誹謗中傷を繰り返す嫌がらせ型、無断で個人情報をさらす暴露型、本人のふりをして悪質なコメントを書き込む、もしくは架空の個人プロフィールを作るなりすまし型、ネット上でのストーカー行為などがあります。なりすまし型でも、特にSNSの個人アカウント乗っ取りは、フェイスブックとレイプを組み合わせた造語「フレイプ(frape)」と呼ばれ、詐欺目的で虚偽の個人プロフィールを作る人は「なまず(catfish)」と呼ばれています。


スマートフォンやタブレットの所有年齢は年々、低年齢化しています。非営利団体コモンセンス・メディアの調べによると、8歳以下でタブレットを持つ子どもは2011年で1%だったところ、2017年には42%にまで急増。モバイル機器を使う時間も2013年で15分だったところ、2017年には48分にまで増えています。スマートフォンを肌身離さず持ち歩くティーンエイジャーへの影響はより深刻です。サンディエゴ大学の心理学者、ジーン・トゥエンジ教授によると、iPhoneが発売された2007年以降、ティーンが友だちと外出する回数が減少し、デートを経験した人と12年生で運転免許証を取得した人の数も大幅に減り、その逆に平均睡眠時間が7時間以下の人と孤独を感じる人は増加したとのこと。SNSを使用する時間が長ければ長いほど孤独感と不幸感を強めるという研究もあり、「フェイスブックうつ」とも呼ばれています。疾病予防管理センター(CDC)の調べでは、スマートフォンなどの電子機器を1日5時間以上使うティーンは2009年の8%から2015年には19%に増え、これらのティーンは1日1時間しか電子機器を使わない層に比べて、自殺を考えたり実行したりする率が70%高いことが明らかになりました。実際に1999年から2014年まで米国の自殺率は24%増加、とくに10〜14歳の少女については3倍に、2007年から2015年まで15〜19歳の少女の自殺率は2倍に跳ね上がりました。

子どもがいじめに遭っている兆候としては、学校や友だちの話を避ける、特定の言葉に過敏に反応する、急に怒り出す、部屋にこもりがちになる、兄妹にあたる、SNSを見なくなる、または見た後で機嫌が悪くなる、無理に明るく振る舞う、食欲不振や過多、頭痛、腹痛、睡眠障害、自他を傷つける言動などが挙げられます。

対策としては、こうしたネットいじめの実情や手口を子どもにもよく言い聞かせ、写真やテキストを送る前にいったん落ち着いて考える、パスワードで守られた情報であっても流出することを想定し、個人情報を公開しないことなどを事前に伝えておく必要があります。また、「何かあったら言わないとわからないわよ」といった強い口調では子どもは口を閉ざしてしまいます。温かい口調で「何かあったらいつでも言ってね。あなたの味方だから、あなたを守るためだったら何でもするからね」と語りかけてあげましょう。学校や専門機関にも相談して連携を取り、子どもの孤独感を深めないことが大切です。


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    Author

    長野弘子
    ​MA, MHP, LMHC


    NYと東京で出版事業に携わった後、東北大震災をきっかけにシアトルに移住。ノースウェスト大学院カウンセリング心理学卒業後、米大手メンタルヘルス機関で心理カウンセラー(LMHCA)として勤務。うつ病や不安障害、ADHD、自閉症等を抱える多くの子供やティーンエイジャーに対してセラピーを行っている。

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