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バレンタインの恋人たちに迫る危険

2/9/2018

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www.soysource.net/2018/02/teens-and-sexting-what-it-and-what-can-parents-do/

バレンタインデーが近づくと、過去の恋愛経験を思い出す人も多いのではないでしょうか。恋愛は豊かな情緒を育み、人間的な成長を促す妙薬とも言えますが、心も体もまだ未発達なティーンエイジャーはトラブルに巻き込まれるリスクも高いので要注意です。米疾病対策センター(CDC)の統計によると、アメリカの高校生の半数近く(46%)が性交を経験し、毎年150万人の高校生がデート相手から身体的・性的暴力を受けています。また、2015年におけるHIV感染者の22%が13~24歳の若年層であり、毎年2,000万人と言われる性感染症の半数を15~24歳の若者が占めています。

私の働くクリニックでも、デート・レイプ、リベンジ・ポルノ、ビデオ撮影の強要など、デジタル時代の恋愛事情さながらといった事件が毎週のように報告され、思わずため息が漏れます。最近では「セクスティング」と呼ばれる、性的な描写の含まれる写真やテキストの送受信が、スマートフォンやSNSの普及と共に爆発的に増えています。13~19歳を対象とした2008年の調査※では、22%の女子および18%の男子が自分の裸か裸に近い写真を送ったことがあり、そのうち15%は自分の写真をネット上の赤の他人に送っています。また、そのうち21%の女子および39%の男子は、付き合う前に裸か裸に近い写真を好きな人に送っています。相手の気を引くために自分のヌード写真を送るという感覚は驚きですが、性の商品化とワンクリックで気軽に発信できる状況に加え、相手からのプレッシャーもあるのかもしれません。実際、2012年のテキサス大学による調査では、半数以上の57%のティーンが性的な写真を送るよう求められた経験があるそうです。

しかし、軽い気持ちでも後々取り返しのつかないことになってしまうのがデジタル・データの怖いところ。2009年には、好きな人に自分の性的な写真を送った13歳の女の子が、その写真をばらまかれて自殺をしたという痛ましい事件が起き、その後も似たようなニュースが相次いでいます。リベンジ・ポルノを掲載するサイトも多数存在し、写真の削除のために被害者に大金を要求する違法ビジネスまで登場。ワシントン州ではセクスティングに特化した法律はありませんが、「未成年の性的搾取に関する法律」により18歳以下の性的な写真を送ることは違法行為とされており、このことを知らないティーンも大勢います。

統計から見ても早熟なアメリカのティーン。意外にも日本より厳しいのが、性交の同意能力があると見なされる「性的同意年齢」(age of consent)です。日本では13歳ですが、ワシントン州法では16歳。つまり、どちらか一方が16歳未満の場合には、たとえ双方の同意のもとの性交であっても、歳の差が大きい場合は法廷強姦(statutory rape)として法的に罰せられるリスクがあります。相手との歳の差が12歳未満では24カ月未満、12歳以上~14歳未満では36カ月未満、14歳以上~15歳では48カ月未満の場合は罪に問われませんが、13歳の女子と関係を持った17歳の青年が、その女子との別れ話を切り出したとたん、レイプ容疑で警察に通報されたケースも実際にありました。また、同意年齢が例外的に引き上げられるケースもあり、片方が里親や養子の場合は18歳、相手が子どもを監督する立場にある人で5歳以上年上の場合も18歳、先生と生徒という関係では21歳となります。

「うちの子にかぎって」と安心せず、きちんと対策を考えておきましょう。性知識のない子どもは性的暴力を受けるリスクが高まり、被害に遭っても大人に報告せず自分で抱え込む場合が多く見られます。ジョージア大学の調査によると、付き合っている相手から身体的、性的、精神的な暴力を受けた経験を持つ中高生は3分の1近くにも上ります。少なくとも、性的強要や性感染症、避妊の知識、セクスティングや性的同意年齢に関してしっかり情報共有し、ネット上での個人情報のやり取りはモニターして、子どものスマホ使用を制限することも必要でしょう。


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※National Campaign to Prevent Teen and Unplanned Pregnancy & CosmoGirl. com (2008). Sex and tech: Results from a survey of teens and young adults. www.drvc.org/pdf/protecting_children/sextech_summary.pdf
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    Author

    長野弘子
    ​MA, MHP, LMHC


    NYと東京で出版事業に携わった後、東北大震災をきっかけにシアトルに移住。ノースウェスト大学院カウンセリング心理学卒業後、米大手メンタルヘルス機関で心理カウンセラー(LMHCA)として勤務。うつ病や不安障害、ADHD、自閉症等を抱える多くの子供やティーンエイジャーに対してセラピーを行っている。

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