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ティーンとマリファナ

3/9/2018

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www.soysource.net/2018/03/teens-and-marijuana/

アメリカで生活する上で、避けて通れないのがドラッグの問題です。その蔓延は深刻なレベルで、トランプ米大統領も昨年10月に薬物依存の拡大をこの国の「国家的不名誉」と呼び、公衆衛生の緊急事態だと宣言しました。薬物の過剰摂取による死者数は、2015年の約5万2,000人から2016年には約6万4,000人に増え、その半数以上がオピオイドによるものです。ケガや体の痛みなどで病院に行き、オキシコドン(商品名:オキシコンチン)やヒドロコドン(商品名:バイコディン)などのオピオイド系鎮痛剤を医師から処方されて依存症になる人が多く、モルヒネの50〜100倍強い合成オピオイド、フェンタニルによる死者数は2000年〜2015年で11倍以上も増加しました。2016年4月に急死した歌手、プリンスの死因もフェンタニルの過剰摂取、タイガー・ウッズ選手が昨年逮捕された時にバイコディンを服用していたことも社会に衝撃を与えました。

しかし、大人とは逆に、ティーンの間では薬物乱用は減少傾向にあります。アメリカ国立衛生研究所(NIH)によると、この20年間で違法薬物(マリファナ以外)の使用は減少しており、2016年には8年生が96年の13.1%から5.8%、10年生は96年の18.4%から9.4%、12年生は2001年の21.6%から13.3%にまで半減。理由としては、国を挙げての防止教育が功を奏したという見解もありますが、現場で働くセラピストの間では依存対象がネットやSNSに移行したとも言われています。ただ、例外的な動きがマリファナで、2016年には8年生と10年生で使用率が20年間における最低水準になったものの、2017年には10年生の1カ月以内の使用率が微増、毎日マリファナを使用している12年生は6%に上ります。

日本と比べると、ヘロイン、コカイン、覚せい剤(クリスタル・メス)、MDMA(エクスタシー)、依存性の高い処方薬に至るまでさまざまな違法薬物が簡単に手に入るアメリカ。ティーンを持つ親にとっては、心配でたまりません。薬物使用のきっかけはいろいろですが、典型的なのが、友だちからもらったり一緒にやろうと誘われたりするパターンです。「お酒やタバコくらいなら」と思いがちですが、これらはゲートウェイ・ドラッグとも呼ばれ、ヘロインなどの依存性や副作用の強いハードドラッグへの入口になるため、要注意です。また、最近のマリファナは精製が進んでおり、幻覚成分THCを抽出したBHOは、ダブ(Dab)とも呼ばれ、ひと吸いで動けなくなるくらい強力です。また、パーティーなどで、マリファナとタバコを混ぜて吸うムーク(Mook)、抗不安薬のザナックス(ベンゾジアゼピン系)とマリファナ、ADHD処方薬のアデラルとお酒の併用などで、意識を失ったり病院に担ぎ込まれたりしたティーンもいます。

ティーンの脳はまだ発達段階にあり、理性をつかさどる前頭前野の部分が完成されるのは25〜26歳と言われています。衝動的で大人よりも依存しやすい上に、未発達の中枢神経が破壊されて心身が急速に蝕まれていきます。ニュージーランドの調査では、未成年時のマリファナ使用でIQが平均8ポイント低下したという結果も。そして何より恐ろしいのが、耐性ができて薬の量がどんどん増え、体内に薬物のある状態が普通になり、薬が切れるとたとえようもない焦燥感や異常な発汗などの離脱症状が現れることです。

子どもが薬物に走らないよう、薬の恐ろしさをしっかりと伝える防止教育をすることが重要です。また、子どもが中毒に陥っている兆候として、目の変化(赤い目、眠たそうな目、瞳孔の拡大)、お金を欲しがる、遊びに行く場所や友だちなど嘘をつく、生活が不規則になる、門限を守らない、学校の成績が下がる、激しくキレたり暴力的になったりするなどが挙げられます。こうしたサインを感じ取ったら、一度専門家に相談してみたほうがいいでしょう。質問やお悩みなどは、お気軽にhiroko@lifefulcounseling.comまで。
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    Author

    長野弘子
    ​MA, MHP, LMHC


    NYと東京で出版事業に携わった後、東北大震災をきっかけにシアトルに移住。ノースウェスト大学院カウンセリング心理学卒業後、米大手メンタルヘルス機関で心理カウンセラー(LMHCA)として勤務。うつ病や不安障害、ADHD、自閉症等を抱える多くの子供やティーンエイジャーに対してセラピーを行っている。

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